志望動機のポイントは「自分にとってのメリット」だけで終わらせないこと
志望動機とは、「なぜその会社でなければならないか」を説明することですが、応募先企業の企業研究を行って魅力的な点を挙げるだけでは不十分であるところに大きな落とし穴があります。
採用する側としては、「御社の●●が素晴らしい」「これから将来性があります」と持ち上げられたところで「だから何?」と思うからです。
一方的な想いだけではなく、応募先企業にとってあなたを採用するメリットを感じてもらうことが大切です。
事前準備と表現の工夫でライバルと差をつけよう
「志望動機」は就職面接でも、転職面接でも必ず聞かれます。(履歴書・職務経歴書・エントリーシートなどの応募書類で求められることもあります)
しかし、質問のバリュエーションも多いため準備不足で臨んだ結果、その場しのぎの応答をしてしまっている応募者が多いのが現実です。
よく使われるものの、面接官にとってはマイナスの印象となるNG回答とその対策を、面接官の本音付きでお教えします。
就職活動を迎える学生や、社会人4年目以内の第二新卒は必読です。
NG回答例と面接官の本音&対策
御社の事業に興味がある
【面接官の本音】 耳にタコができるほど聞いてウンザリ
「御社の将来に期待して」「御社の製品に注目して」なども同じです。これらのような“マニュアル回答”は、何万人もが使っていると思って間違いありません。
応募しているので、興味・関心があるのは当然です。面接官にインパクトを与えるには工夫が必要です。
どういう理由(エピソードがあるとベスト)で、事業内容のどこに興味があるのか詳しく話しましょう。
面接も盛り上がり、好印象を残せます。
例えば、不動産業界の営業職に応募する場合・・・
「御社の事業に大変興味があり応募いたしました。特に仕入れにおいて御社独自の基準を設けられており、景気に左右されにくく手堅い運用をされているところに興味を抱いております。」
という内容ですと、応募先企業の経営方針と考え方がマッチしていると評価してもらえるでしょう。
憧れの業界だった
【面接官の本音】 それで、何ができるの?何がしたいの?
「昔から好きなブランドだった」「ずっと愛用している」なども同じです。夢や憧れを抱くのは悪いことではありません。面接官にとっても悪い気はしません。
しかし重要視するのは、そこで何がしたいか・できるかです。応募先企業で果たす役割を棚に上げて話してしまうと、仕事に対する基本的な理解ができていない応募者と評価されお見送りと判断されてしまいます。
最も重要なのは、応募先企業の戦略を理解していること。
「何がしたいか」まで話す応募者も多いですが、「御社に入社したら、こんな商品を作りたい」「まだ認知度が低いので、もっと広告を盛大にしたい」「~社とコラボしたい」など自分勝手な妄想を押し付けてしまう人が続出しているのが現実です。
1ファンの存在としては嬉しいのですが、応募先企業には当然、経営戦略・事業戦略があります。戦略に沿った内容について「私が一員となって」という口答はプラス評価になります。
例えば「東南アジアへの展開」を直近の戦略にしている企業であれば
「私はこれまで東南アジア5ヶ国にトータル180日間滞在したことがあり文化や生活環境などをよく理解しております。また、昨年TOEIC900点を取得しておりますので、現地調査やビジネスパートナー探しの面でお力になりたいと思っています」というような志望動機は高評価に繋がります。
人と接する仕事がしたい/人の役に立ちたい
【面接官の本音】 考え方が甘いな。仕事を全うできるんだろうか
「顔が見える仕事」や「喜ばれる仕事」も同様に要注意です。面接の場面で多くの応募者が使いますが、対人折衝のない仕事の方が少なく、目標が不明確です。
「人の役に立ちたい」に至っては、極論ボランティアも選択肢に入るのではないかとジャッジされてしまう可能性があります。
聞き手側としては、「人は嫌いではありません」くらいにしか聞こえないのです。
自分の何を生かし、どう接したいのかまで自己分析して伝えられないと、発想の幼稚さ、動機の甘さを面接官に感じさせてしまいます。
このようなアピールをしたい人の多くは、希望職種が「営業/販売/サービス職」と「一般/事務/管理部門/サポート職」の2つに分かれます。
実は、採用側が求めるマインド・スタンスは職種で大きく異なり、人好きだけでは甘いというのが本音です。
「営業/販売/サービス職」であれば、会社から数字が与えられますので、数字を追いかけて達成できるかどうかを見ています。
そのため、人が好き過ぎると、売ることを忘れる(売ることに負い目を感じる)こともあるため、逆効果と見られる企業もあります。
コミットメント力を重要視しますので、粘り強く取り組んで達成したエピソードが効果的です。
「一般/事務/管理部門/サポート職」であれば、先読みして先手を打つ力があるかどうかを重要視しています。
普段はボーっとしているが、言われたことを笑顔でテキパキとこなすという人と一緒に働きたいとは思いません。
現状を把握して、将来を予測して先手を打つ(準備する)ことで、「え?もうこんなとこまで出来てるの?」という驚きや「先に用意してくれていて助かったよ、ありがとう」という感謝を得られることが喜びという動機の方が、面接官の心をグッと掴めます。
御社で色々と学びたい/成長したい
【面接官の本音】 職場は学校じゃない!
「勉強させていただきたい」「御社で●●を身につけたい」「成長したい」なども同様です。本人は一生懸命に取り組むというアピールのつもりかもしれませんが、完全に逆効果です。
「学校はお金を払って学ぶところ、会社はお金をもらって成果を出すところ」という当たり前の認識をもつことが大事です。
学生で就職活動での志望動機であれば、説明会や面接、面談、懇親会、OB・OG訪問などで先輩社員や社長と接点を持つ機会があります。
「御社で勉強したい」ではなく、「~さんのようにバリバリと働く社会人を目指したい」と置き換えると好印象です。
転職活動では、人にフォーカスするのではなく、「応募先企業で成果を上げる」ことを示す必要があります。
未経験の仕事を志望するとしても、応募先企業の研修や教育体制を期待するのではなく、自分の強みを活かした貢献できる点をアピールしましょう。
合わせて読まれている人気記事はコチラ
・
よくある「自己PR」はNG! 客観性とストーリー性で面接対策バッチリ
・
転職面接を勝ち抜く逆質問―質問例から学ぶ必勝法―
・
【営業の転職】本音はあり?受かる!「転職理由」「志望動機」例文集