【管理職の転職】大手企業が管理職に求める能力と資質とは

管理職として転職する方、これから管理職を目指して転職をする方。
企業側が採用にあたって管理職に何を求めているのか、知りたいですよね。
事前に知っておくことで自分がアピールすべきスキルや経験、人物特性も見えてきますので、職務経歴書を書くにも面接対策を立てるにもとても有用です。

ここでは大手企業が管理職に求める能力と資質についてじっくりお伝えしますので、ぜひ転職にお役立てください。


目次

  • 3.営業部門の管理職=売上をあげられる部門を創る力
  • 4.管理部門の管理職=できて当たり前のことを当たり前にこなす実行力
  • 4-1. 人事部門の管理職=組織を見通し、整える力
    4-2. 総務部門の管理職=辛抱強さと実行力
    4-3. 財務部門の管理職=数字にこだわる計画性と分析能力
    4-4. 経理部門の管理職=正確・迅速・確実な情報開示の管理

  • 5.まとめ

  • 1.大手企業の管理職は中小企業とレベルが違う

    会社の規模や体制によって企業側の応募者を見る視点も求めるものも大きく異なるもの。
    例えば中小企業での経験しかなく、その感覚のままで大手企業に飛び込んでしまうとカルチャーショックを受けるばかりか、後悔することにもなりかねません。

    ひとつ大きな違いは、大手企業の管理職は中小企業とレベルが違うということ。
    簡単に言ってしまえば、課長・部長など同じ役職であっても、権限も責任も大きいのです。

    中小・ベンチャー企業の管理職の方が裁量権が大きいと思われがちなので、えっ?と思われる方もいると思いますが、 大手企業と中小企業・ベンチャー企業の管理職はここまで違う でも詳しく説明しているとおり、実はその逆。

    大手企業では中小・ベンチャー企業とは違い、管掌する部門がはっきり線引きされており業務範囲は狭くなりますが、その代わりその範疇においては管理職の一存で行使できる権限の幅が大きく、またその分しっかり責任も負わなければならないという点において違いがあるのです。

    2.大手企業が管理職に求める共通要素は「管理能力」

    さて、それでは大手企業が管理職を採用するときに、候補者のどんなところを見ているのでしょうか。

    まず、部門・ポジションにかかわらず全ての管理職に求められる共通項があります。
    それは1にも2にも「管理能力」
    具体的には、部下を管理する能力、業務の進捗を管理する能力、予算や計画を管理する能力など、いわゆる「マネジメント能力」にかかわるものです。ここには現状を把握するという意味での管理のほか、将来を見込んで目標達成に向けた計画の立て直しや自部門の動きの調整も含まれます。
    もちろん部門の役割ごとに特に重視されるスキルもあります。以下、個別にみていきましょう。

    3.営業部門の管理職=売上をあげられる部門を創る力

    営業部門には部門として達成しなければならない目標が課せられる場合がほとんどです。
    そして、管理職の最終目的は決められた予算・人員・時間などのリソースの中でこの目標を達成すること。

    そのためには、まず自部門の目標達成に向け、期間ごとにブレイクダウンしてどのようにリソースを投下し、どのように売り上げをあげていくか計画立てて考えることが必要です。
    その上で期中は目標の達成率や予算の状況、部下の業務進捗などを把握しながら、現状のペースで進んだ場合の業績を予測し、常に自部門の業務の進行について分析します。
    更に、その間にも部下ひとりひとりの特性やポテンシャル能力を見極め、どの仕事を誰に任せるかを効率と部下育成の両側面から判断していくこと。また、部下がモチベーション高く動ける状態を作り、維持するためには部下をうまく鼓舞するコミュニケーションと求心力も重要です。

    総括すると、営業部門の管理職にはしっかり売上をあげられる部門を創る力が求められるといえます。数字上の進捗管理・予実管理能力と数字にコミットする情熱、組織づくりのスキルなどをアピールすると良いでしょう。

    4.管理部門の管理職=できて当たり前のことを当たり前にこなす実行力

    次に、管理部門の管理職についてですが、管理部門の果たす役割も部門ごとに様々です。
    ただ、管理部門の仕事というものは往々にして「できて当たり前」「きちんと正しくやって当たり前」と思われがちで、裏を返せば管理部門の管理職には「当たり前」と思われるくらいきちんとこなす実行力とそれを叶えるために必要な部下の管理能力が求められることになります。
    さて、あとは部門ごとに特に求められる能力について個別にみていきす。

    4-1. 人事部門の管理職=組織を見通し、整える力

    人事部門の仕事は組織づくりや社員の諸事に関わる人事、主に社員の勤怠や給与などに関わる労務、そして会社に新たに迎え入れる人材を選考する採用業務に大きく分かれます。
    これらを管理職には「現在」「短期的将来」「中長期的将来」の三段階の視点が必要。
    「現在」の視点としては、現在の会社としての人事的リソースの状況や組織上の課題を把握すること。
    「短期的将来」では会社としての人事予算を立てるにあたって、期中の会社としての人員増減の必要性に鑑み、退職者数について予測を立てつつ採用計画を練ることや、それに伴う人事的リソースの社内での割り振りを考えること。
    そして「中長期的将来」では3年先、5年先、10年先の会社組織の状況を見据え、それぞれの時点までの組織の構成やポストの動きなどを分析すること。

    ピラミッド型組織やフラット型組織など、理想的とされる会社組織はいくつかありますが、ともすればひょうたん型や逆ピラミッド型のようないびつな組織になり、そうすれば組織にひずみが生じるだけでなく、人件費にも影響が出ます。
    現場部門からは人員について様々な要望が寄せられる中、会社の方針や予算に従ってそこを整えるのが人事部門の役目でもあり、人事的リソースの管理について最終責任を負いますので、組織全体を俯瞰的に見る目と、将来に亘って見通す力、社内調整能力などが問われるといえます。

    4-2. 総務部門の管理職=辛抱強さと実行力

    総務部門は得てして会社組織のヒエラルキーの中では低い位置とみられがちですが、非常に大きな役割を果たします。
    株主総会を取り仕切ることをはじめ、広報・PRや苦情対応など外部に対しては会社側の窓口としての役目のほか、社内では管掌部門が定まらない庶務をすべて引き受けるなど、種類も次元も多岐にわたる仕事があります。
    これらを統括する管理職ですから、社外に対しては会社を代表して情報を発信することの重責を担えるだけのタフさと、社内に対しては周囲からの様々な横槍を受けながらも極力波風を立てずうまく処理していく立ち回りが求められます。
    辛抱強く、やるべきことをきちんとこなす責任感と実行力のある人物特性の人が多く、その職務能力ももちろんですが人間性もわりと重視されるのが総務部門の管理職です。

    面接などでは、自身の実績や経験とともに人物特性を示すエピソードなどを語ると効果的と言えます。

    4-3. 財務部門の管理職=数字にこだわる計画性と分析能力

    財務部門で大きく問われるのは数字に関する能力です。
    会社の資金繰りを一手に引き受け、キャッシュフローや収益、資産の状況を管理します。
    経理部門と連携して予実管理を行い、会社業績の分析を行うことはもちろんですが、中でも特に財務責任者の仕事で重要なのが資金調達
    会社運営上、必要な資金が必要なときに潤沢に用意されている状態を保てるよう、戦略的に財務計画を立てなければならず、金融機関などから借り入れを起こすようなときには金利交渉も財務部門の重要な役目です。経済情勢や景気の見通し、会社の業績予測なども考えて行う必要があります。
    そのためにも、財務を管掌する管理職には徹底的に数字にこだわる計画性と分析能力のほか、世の中の動きを把握し、将来予測を立てる能力が求められます。
    様々な数字のプロであると同時に、数字へのこだわりを示すアピールが効果的です。

    4-4. 経理部門の管理職=正確・迅速・確実な情報開示の管理

    経理部門は大手企業においては、第一に正確・迅速・確実な決算情報の開示をする役割を持ちます。
    上場企業では四半期ごと及び通期決算時の決算短信を期限内に公表すること、また事業年度ごとに有価証券報告書を公表することが義務付けられていますが、これが実は知られざる激務。
    企業としての適時開示を果たすため、経理部門は時期が来ると連日連夜深夜まで勤務・・・ということもあります。
    また、情報を出せば良いというものでもなく、それが正確であること、また、その情報によって株主をはじめとする社会全体に及ぼす影響についても考える必要があります。同じ事象であっても記載の仕方ひとつで株価やその後の業績を大きく左右することもあるため、経理部門の管理職はその側面を常に念頭に置きつつ発信の仕方を検討しなければなりません。

    つまり、経理部門の管理職には第一に部門の仕事を確実に遂行する管理能力のほか、会社への将来影響を考えた開示ができる能力が求められるといえます。

    5.まとめ

    いかがでしょうか。
    今回は大企業からの目線で管理職に求められる能力について解説いたしました。
    なお、管理職の転職にあたっては本人が自分ひとりで情報収集を行い、求人情報媒体などを通じて応募することももちろんできますが、より良い条件でより自分に合った会社を探すには転職エージェントの活用が効果的です。


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